サイバー攻撃

トロイの木馬の警告は本物?偽警告の見分け方と安全な対処法を解説

「サイバーインシデント発生時の証拠保全対応

「ウイルスに感染しました」「トロイの木馬が見つかりました」といった警告が突然表示されると、不安になりますよね。しかし、このような警告の多くは、実際には本物のウイルスではなく偽警告で不安を煽る詐欺であることが多いです。

本記事では、トロイの木馬の警告が偽警告の場合に見られる主なサインと安全な対応手順を解説します。

スマホ・パソコンの不審な挙動に不安を感じた方へ

トロイの木馬の感染警告は本物?

トロイの木馬とは、見た目には普通のソフトやファイルに見せかけて、裏で不正な動作をするウイルスの一種です。

実際にトロイの木馬に感染すると、利用者の知らないうちにパスワードや個人情報が盗まれたり、端末が遠隔操作されたりする危険があります。しかし、ネット上で突然表示される「トロイの木馬に感染しました」といった警告の多くは、実際のウイルス感染ではなく、偽のセキュリティ警告であることが少なくありません。

見慣れないポップアップや、急に警告音が鳴るような表示が出た場合には、慌てて操作するのではなく、本当に感染しているかどうかを落ち着いて見極めることが大切です。

トロイの木馬に関する偽警告に見られる主なサイン

トロイの木馬の感染警告が表示された時、以下のサインが見られている場合は偽警告である可能性があるので注意が必要です。

警告画面が突然表示される

ウェブサイトを見ていただけなのに、「あなたのPCが危険です!」といった全画面の警告が表示される場合は、偽警告の可能性が高いです。

「今すぐダウンロード」などの誘導がある

本物のセキュリティソフトは突然ブラウザ上でインストールを促すことはありません。こうした表示は不正なソフトに誘導するための手口です。

閉じるボタンが効かない

画面右上の「×」を押しても閉じられない、何度も再表示されるなどの場合は、偽のスクリプトが動作している恐れがあります。

警告音やバイブが鳴る

音声付きで不安を煽るのも、典型的な偽警告の特徴です。「今すぐ対処しないと危険!」などのメッセージも含めて信用しないようにしましょう。

ウイルス対策ソフトでは反応しない

普段使っているセキュリティソフトでは反応していないのに、ブラウザ上だけで「ウイルス発見」と出ている場合は、その表示自体が偽造の可能性があります。

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トロイの木馬に関する偽警告を安全に閉じる手順

実際に偽警告が表示されても、冷静に対処すれば大丈夫です。以下の手順で、安全に画面を閉じ、リスクを最小限に抑える行動をとりましょう。

「Esc」キー長押しで解除

まずは画面がフリーズしたように見えても、「Esc」キーを5秒ほど長押しすることで警告画面が消える場合があります。ブラウザだけが固まっている可能性もあるため、最初に試してみましょう。

手順
  1. 「Esc」キーを5秒ほど押し続ける
  2. 反応がなければ次の手順へ

タスクマネージャーで強制終了

閉じられない場合は、Windowsなら「Ctrl + Shift + Esc」、Macなら「Command + Option + Esc」でタスクマネージャーを起動し、ブラウザを強制終了しましょう。

手順
  1. タスクマネージャーを起動
  2. 「Chrome」や「Safari」などブラウザを選択
  3. 「タスクの終了(強制終了)」を選ぶ

キャッシュとCookieの削除

再度表示されないようにするには、ブラウザの履歴とキャッシュを削除します。セッション情報が残っていると、同じページが再び開かれる場合があります。

手順
  1. ブラウザの「設定」を開く
  2. 「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴の削除」を選択
  3. 「キャッシュされた画像とファイル」「Cookieとサイトデータ」をチェックし、削除

トロイの木馬に関する警告が偽物だった場合やってはいけない行動

偽警告に対して以下のような行動を取ってしまうと、ウイルスに感染したり、個人情報が抜き取られてしまう恐れがあります。

  • 表示されたリンクをクリックする
  • 電話番号に連絡する
  • 指示通りにソフトをインストールする
  • 個人情報やクレジットカード情報を入力する

特に「サポート窓口を装った画面」や「警告を止めるにはソフトが必要です」といった表現には要注意です。

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実際にトロイの木馬に感染した時の対処法

トロイの木馬感染が本物だった場合でも、焦って操作をすると証拠が失われてしまう恐れがあります。正しい順序で落ち着いて行動することが重要です。

安全確認と端末の隔離する

他の端末やネットワークに被害が広がらないように、最初に端末をネットワークから切り離すことが大切です。Wi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜くなど、物理的に通信を遮断しましょう。

手順
  1. Wi-Fiをオフ、またはLANケーブルを抜く
  2. 外部ストレージやUSB機器を取り外す
  3. 端末はシャットダウンせず、そのままの状態を保つ

証拠となる情報の保全を行う

感染が疑われるファイルや警告画面のスクリーンショット、ログイン履歴などの記録は、後の調査にとって非常に重要です。消さずに保存しておきましょう。

手順
  1. 警告画面をスクリーンショットで記録
  2. インストールされたアプリやファイルの一覧を保存
  3. ログイン履歴・アクセスログを控える

影響範囲の確認する

他の端末に感染していないか、データが盗まれていないかなど、被害の範囲を特定する必要があります。自力での確認が難しい場合は、専門業者への相談も視野に入れてください。

手順
  1. 周辺機器や他の端末でも異常が出ていないか確認
  2. 使用していたファイルやフォルダに変化がないか確認
  3. クラウドサービスのログイン履歴や通知メールを確認

対処に不安な場合は専門業者に相談する

不審な警告や感染の兆候が見られる場合、自己判断での対応には限界があります。特に警告画面がしつこく繰り返されるケースでは、見えないところでマルウェアが常駐している恐れがあります。

専門調査では、端末のログやメモリの解析を通じて、トロイの木馬の有無、侵入経路、被害範囲などを客観的に特定することが可能です。自力では判断が難しい領域も、プロの調査によって明確にすることができます。

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

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エンジニア

累計ご相談件数39,451件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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