企業における会計不正や横領などの不祥事は、単なる経理ミスでは済まされない重大な問題です。近年はガバナンス強化や内部統制の観点からも、経営層や監査役にとって「客観的な証拠による事実確認」の重要性が高まっています。
しかし、表面的な帳簿や申告内容だけでは真実を見抜くことは難しく、初動対応を誤ると証拠となるデータが消失する恐れがあります。調査にあたっては、会計やITの知見を融合した専門的なアプローチが必要とされます。
そこで本記事では、フォレンジック監査とは何かという基本から、どのような不正行為に対応できるのか、調査の流れ、実施上の注意点までを網羅的に解説します。
目次
フォレンジック監査とは
フォレンジック監査とは、企業や個人の財務記録・取引・関連する業務データを詳細に分析し、不正・横領・汚職・粉飾決算などの「不正行為の有無」と「被害額」を特定するために行う監査です。
通常の財務監査は「企業の財務状況が適正かどうか」を確認するものであるのに対し、フォレンジック監査は「企業内部で不正が行われていないか」「粉飾や横領が存在しないか」などを明確にすることが目的です。
たとえば以下のような目的で実施されます。
- 架空売上や循環取引などの粉飾決算の実態把握
- 従業員や経営陣による横領・裏金の調査
- 社外からの内部通報に対応する第三者調査の一環
- 訴訟・懲戒処分・刑事告発に向けた証拠固め
このように、経営の透明性を保ち、再発防止と社会的信頼を維持するための重要なプロセスとなります。
フォレンジック監査の特徴
フォレンジック監査の特徴には主に以下の特徴があります。
フォレンジック監査は、不正や事故が発生した際に、事実関係を時系列で再構成することを目的とした調査手法です。単なる内部チェックではなく、「誰が・いつ・どの端末から・どの操作を行ったか」を客観的に明らかにします。
監査ログを中心に事実を特定
フォレンジック監査では、証言ではなく監査ログやシステムログを重視します。ログイン履歴、ファイル操作履歴、設定変更記録などを分析し、実際に行われた操作を裏付けます。
監査ログについての詳細は以下の記事で解説します。
証拠の信頼性を重視
裁判や社内懲戒を前提とするため、ログの取得方法や保管方法も重要です。ハッシュ値の付与やWORM保存など、改ざん防止措置が取られているかどうかも評価対象になります。
調査型アプローチで集中解析
統計的な抽出ではなく、不審な時間帯やユーザーIDなどに焦点を当ててログを集中的に解析します。異常な操作パターンを抽出し、事実関係を具体的に整理します。
タイムライン形式で報告
調査結果は、ログから抽出したイベントを時系列に整理し、「どのログがどの事実を裏付けているか」を明確に示します。これにより、法的にも説明可能な報告書を作成できます。
フォレンジック監査の流れと主な作業内容
フォレンジック監査は、対象となる疑惑や不正の内容に応じて設計されますが、一般的には以下のようなステップで進められます。
事前ヒアリング・目的の明確化
依頼者(企業)の立場や懸念している不正の内容、調査の目的を明確にすることから始まります。調査範囲・対象者・必要な法的手続きの確認もこの段階で行われます。
証拠データの保全(イメージ取得)
パソコン・サーバ・クラウドなど、関係する機器の記録データを削除・改ざんされないように保全します。ハッシュ値(データの指紋)を記録することで、証拠としての正当性を担保します。
ログ・記録の解析
電子メールの送受信履歴、ログイン履歴、ファイル操作、USB接続などの操作記録を解析し、疑わしい行動があったかを確認します。異常なタイミングやパターンが見つかることもあります。
関係者ヒアリング・ファクト調査
関係者への聞き取り調査を行い、技術的に明らかになった証拠と照らし合わせて事実関係を固めます。証拠と矛盾する証言や、あいまいな記憶とのギャップが問題になることもあります。
調査報告書の作成・再発防止提言
調査の結果は、経営層・監査役・監督官庁などに提出するための報告書としてまとめられます。事実関係だけでなく、組織の管理体制や内部統制の課題も指摘されることがあります。
フォレンジック監査を実施する際の注意点
フォレンジック監査は高度な調査手法ですが、実施にあたっては以下のような注意点があります。対応を誤ると、かえってリスクを広げてしまうおそれもあるため、慎重に進める必要があります。
証拠データの改ざん・消失リスク
ログや操作履歴は上書き・削除されやすく、対応を誤ると証拠が消失する恐れがあります。たとえば調査対象のパソコンを再起動したり初期化してしまうと、重要な証拠が失われる可能性があります。
社内風評・組織不信のリスク
調査の事実が社内に広まると、「誰が疑われているのか」「自分も見られているのか」といった不安から、従業員の信頼を損なうことがあります。調査の目的や進め方を明確にし、可能な限り非公開で実施することが望まれます。
調査手続きの法的適合性
従業員のメールや私物PCを調査対象とする場合、プライバシー保護や就業規則との整合性が求められます。調査が違法とみなされないよう、法務部門や顧問弁護士と連携して適法性を確保する必要があります。
調査チームの専門性不足
フォレンジック監査には会計とITの両方の知識が必要です。片方に偏った知識や経験では、適切な分析や法的証拠の確保が難しくなるため、専門資格や豊富な実績を持つチームを選ぶことが重要です。
フォレンジック監査で専門家に相談すべきケース
フォレンジック監査を外部専門家に依頼すべきか判断に迷うこともあるかもしれません。以下のような状況に当てはまる場合、自社対応には限界があるため、早めに相談することをお勧めします。
- 明確な会計不正や横領の証拠がある、またはその疑いがある
- 監査法人や株主から説明責任を問われている
- 訴訟・警察対応・行政処分が想定される
- 内部の人間が調査に関与できない状況(経営陣の関与が疑われるなど)
専門家に相談することで、技術的な調査だけでなく、第三者性を担保した報告書の作成、組織内の調整、証拠の適切な保全など、調査の全体設計をサポートしてもらえます。
フォレンジック監査は専門家に相談を
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サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
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【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
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(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
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