Mimikatzは、Windowsのメモリから認証情報、例えばパスワードやハッシュ、Kerberosチケットなど、抽出するツールとして登場しました。現在では、サイバー攻撃やランサムウェア攻撃の“標準装備”とも言える存在です。
管理者権限を奪われた瞬間に防御が困難になるリスクがあるため、企業ネットワークではMimikatzの特性と対策を理解することが極めて重要です。
本記事では、Mimikatzの基本機能から活用される攻撃技術、検知の難しさ、そして防御のための具体的な対策までを解説します。
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目次
Mimikatzとは何か
Mimikatzは、WindowsのLSASSプロセス、たとえばLocal Security Authority Subsystem Serviceなど、メモリ上に存在する認証情報を抽出できるオープンソースのツールです。
当初は、セキュリティ研究やペネトレーションテストのために開発されたものですが、現在は攻撃者にとって不可欠なツールとなっており、APTやランサムウェア攻撃、内部犯行のツールキットに組み込まれています。
Mimikatzが持つ主な機能と特徴
以下は、Mimikatzが提供する主な機能と、それにより可能となる攻撃手法です。
パスワード・ハッシュ・チケットの抽出
WindowsのLSASSメモリ領域にアクセスすることで、平文パスワード、NTLM・LMハッシュ、Kerberos認証チケットなどの情報を取得できます。
Pass-the-hash攻撃
使用者のパスワードハッシュだけを使用し、実際のパスワードを入力せずに他システムにログインする手法です。Mimikatzで取得したハッシュが攻撃などに使われます。
Pass-the-ticket攻撃
Kerberosチケットを用いることで、使用者になりすまし認証を突破する手法です。既存セッションの乗っ取りが可能となります。
ゴールデン・シルバーチケットの生成
ドメインコントローラーの鍵情報、たとえばKRBTGTなどを取得し、任意の使用者になりすます偽造チケットを生成することで、永続的な権限取得が可能になります。
ラテラルムーブメント
認証情報を使って他端末やサーバへ侵入し、ネットワーク全体への拡散やドメイン支配を目指します。
Mimikatzが使われる主なサイバー攻撃
以下が、Mimikatzに使用される主なサイバー攻撃です。
- ランサムウェア攻撃の初動（認証情報を取得し、後続の暗号化を効率化）
- 内部犯行や標的型攻撃（APT）での横展開に利用
- 侵入後にドメイン管理者になりすまし、バックドア設置・持続化
Mimikatz対策で押さえるべきポイント
以下が、Mimikatzに対する防御の基本となるポイントです。
LSASSへのアクセス制限と保護
Credential GuardやLSASSプロセスの保護設定であるrunAsPPLを有効にし、メモリアクセスを制限することで、Mimikatzの動作を防ぐことができます。
管理者権限の最小化と監視
「常に管理者でログインしない」運用や、不要なドメイン管理者権限の廃止が、横展開の足掛かりを減らします。
特権アクセスの記録とアラート設定
イベントログの収集、SIEMによる異常検出、LSASSに対する、不審な動作の検知アラートを活用することが重要です。不審な点などを見つけることが可能です。
セキュリティソリューションの多層化
EDRや振る舞い検知型アンチウイルスソフトを導入することで、PowerShell経由やファイルレス実行の監視を強化することができます。
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>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは？詳しく解説
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この記事を書いた人
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