サイバー攻撃

口座乗っ取りの手口と疑いのあるサイン・5つの対策を徹底解説

証券口座や銀行口座が不正に利用される「口座乗っ取り」は、近年巧妙化が進み、誰でも被害に遭う可能性があります。特にフィッシング詐欺やマルウェアを使った手口が増えており、見分けが難しいという声も少なくありません。

一度でも不正アクセスを許すと、証拠が消失する恐れがあり、被害拡大や証明困難に陥るリスクがあります。そのため、早期発見と日頃からの再発防止策が極めて重要です。

本記事では、口座乗っ取りの主な手口や疑いのサイン、そして誰でも実践できる再発防止の対策方法を解説します。

フィッシング詐欺や乗っ取り被害の再発防止に対応

口座乗っ取りの疑いがあるサイン

口座乗っ取りが疑われる場合、次のようなサインが見られることがあります。これらの異常に気づいたら、すぐに証券会社や銀行のサポートに連絡するだけでなく、痕跡の保存も検討しましょう。

取引通知が突然届かなくなった

通知メールやアプリ通知が来なくなった場合、アカウント設定が変更されている可能性があります。MFA設定を確認し、連絡先変更の痕跡がないか調べましょう。

見に覚えのない取引が履歴にある

株式の売買や送金など、自分の記憶にない取引があれば注意が必要です。操作履歴や注文履歴のスクリーンショットを保存してください。

パスワードが勝手に変更されていた

ログインできなくなった場合は、すでに乗っ取られている可能性があります。ログイン通知機能や2段階認証の履歴を確認しましょう。

スマホの通知やSMSが不審なタイミングで届く

SMSやアプリ通知が複数回届いたり、深夜帯にログイン通知が来るなどの異変があれば、ログイン試行が繰り返されている可能性があります。

証券会社のアプリが勝手にログアウトされた

セッションが切れたように見えて、実際は第三者が遠隔でログアウトさせた可能性もあります。直後のログイン履歴を確認してください。

口座乗っ取りの手口

口座乗っ取りは多くの場合、ユーザーの不注意を突いた「フィッシング詐欺」や「認証情報の流出」などから始まります。ここでは代表的な手口を紹介します。

偽のログイン画面で情報を抜き取る

本物そっくりのログインページへ誘導し、入力されたIDやパスワードを盗む手法です。ドメイン名や日本語の違和感をチェックしましょう。

取引停止や異常検出を装った偽メール

「口座に不審な動きがあった」「ログインできなくなる」などと煽り、リンクをクリックさせることで偽サイトに誘導するケースがあります。

マルウェアによる情報盗取

端末がマルウェア(情報窃取型)に感染すると、保存されたIDやパスワードが盗まれ、外部に送信されます。OS・アプリの定期更新とウイルス対策が重要です。

口座乗っ取りを安全に確認する方法

不正アクセスや乗っ取りの有無を自力で確認する場合は、証拠を残したまま「非破壊」でチェックすることが重要です。以下のポイントを落ち着いて確認してください。

ログイン履歴やアクセス通知を確認する

多くの金融サービスでは「アクセス日時」「端末情報」「IPアドレス」などをログイン履歴として確認できます。身に覚えのないアクセスがある場合は、乗っ取りの疑いが高まります。

手順
  1. 証券会社のマイページやアプリからログイン履歴の画面を開く
  2. 過去7日間のアクセス端末・地域を確認
  3. 不審なアクセスがあればスクリーンショットで保存

取引履歴・注文履歴を見直す

自分の操作でない取引が記録されていれば、乗っ取り被害の証拠になります。メール通知と照らし合わせることで、確認の精度が上がります。

手順
  1. アプリまたはWebで「注文履歴」「取引履歴」を開く
  2. 直近30日間の取引内容を確認
  3. 不自然な取引の日時・商品名・金額を控えておく

ログイン通知・2段階認証の設定を見直す

アカウント設定で2段階認証(MFA)がOFFになっている、通知設定が変更されている場合は、すでに改ざんされている恐れがあります。

手順
  1. セキュリティ設定画面からMFA設定状況を確認
  2. 通知メールアドレス、SMS番号が正しいか確認
  3. 変更履歴・ログを保存する

再発防止のために今すぐできる5つの対策

被害に遭った場合はもちろん、今後同じような被害を防ぐためにも、次の対策を習慣化しておくことが重要です。

必ず2段階認証(MFA)を有効にする

ID・パスワードだけでは不十分です。MFAを有効にすることで、万が一情報が漏れても第三者はログインできなくなります。

手順
  1. 証券会社の「セキュリティ設定」ページへアクセス
  2. 2段階認証の項目をONにする
  3. 認証アプリ・SMS認証を設定し、バックアップコードを保管

取引通知・ログイン通知をONにする

乗っ取りを早期に発見するには、リアルタイムでの通知が不可欠です。不審な操作にすぐ気づくことができます。

手順
  1. 証券会社の通知設定を開く
  2. ログイン時・取引時の通知を「ON」に設定
  3. 通知先メールアドレス・SMSが正しいか確認

パスワードを定期的に変更する

情報が漏れたことに気づかないケースもあるため、定期的な変更と「使い回さないこと」が重要です。

手順
  1. パスワード変更ページへアクセス
  2. 12文字以上+記号・数字・英字を組み合わせた強力なパスワードに変更
  3. パスワード管理アプリで保存・管理する

ウイルス対策ソフトとOSを最新に保つ

情報盗取型マルウェアは、OSやブラウザの脆弱性を悪用して侵入してきます。更新のタイミングを逃さないようにしましょう。

手順
  1. OS・アプリの自動更新を有効にする
  2. アンチウイルスソフトをインストールし、定期スキャンを設定
  3. 不審なメール・添付ファイルは開かない習慣を持つ

不要な口座やサービスは閉鎖する

使っていない口座が乗っ取られるケースもあります。管理できる範囲だけを運用するようにしましょう。

手順
  1. 利用していない証券口座・ネットバンキングにログイン
  2. 閉鎖・解約手続きを進める
  3. 連携していた他サービスも解除する

サイバーセキュリティの専門業者に相談する

ここまでの確認や対策を進めたとしても、原因の特定や証拠の保全には限界があります。特に不正ログインやマルウェア感染の疑いがある場合は、適切な調査が必要です。

証拠が消失する恐れがあるため、記録が残っているうちに、ログや履歴を専門家に見てもらうことが望ましい対応です。

私たちデジタルデータフォレンジックでは、乗っ取りの有無、侵入経路、マルウェアの活動ログなどを調査し、被害の全容を明らかにする支援を行っています。調査報告書は、警察提出や再発防止にも活用できます。

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>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説

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この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数47,431件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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