「動作が遅い」「通信量が増えた」など、端末の異常が見られるとスパイウェアの仕込みが疑われることがあります。本記事では、Windows・Mac・iPhone・Androidごとに、スパイウェアの検出方法と駆除手順をわかりやすく解説します。
ご自身での対応に不安がある場合は、専門のフォレンジック調査会社への相談をおすすめします。
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目次
スパイウェアによく見られる兆候
スパイウェアが端末に潜んでいる場合、普段とは異なる不自然な挙動が見られることがあります。たとえば、動作が極端に遅くなる、広告が頻繁に表示される、マイクやカメラが勝手に起動するといった症状です。
以下は、スパイウェアによく見られる主な兆候です。
- 動作が遅くなる
- バッテリーの減りが早くなる
- 身に覚えのないアプリやファイルが増える
- 広告が頻繁に表示される
- マイクやカメラが勝手に動く
- 通信量が急激に増える
上記症状が複数確認された場合は、スパイウェアが端末に侵入している可能性が高いため、専門のフォレンジック調査機関への相談をおすすめします。
スパイウェアの特徴や症状についてさらに詳しく知りたい方は、以下の解説記事も参考にしてください。

スパイウェア駆除前に行う準備と注意点
スパイウェアの兆候が見られた際にはすぐに駆除作業に入るのではなく、状況を安定させたうえで慎重に準備を進める必要があります。とくに外部との通信遮断やデータのバックアップは、情報漏えいや二次被害を防ぐうえで非常に重要です。
また、作業の途中で判断を誤ると、大切なデータの消失や再感染といったリスクが発生する可能性もあります。以下のポイントを参考に、安全な状態で駆除を行う体制を整えましょう。
通信を切断して被害拡大を防ぐ
不審な挙動が確認された場合は、Wi-Fiやモバイル通信をただちに停止し、LANケーブルも物理的に外して外部との通信を遮断してください。情報流出や遠隔操作による被害を防ぐための最優先措置です。
データを必ずバックアップする
駆除作業中に不具合が発生すると大切なファイルが失われるおそれがあります。外部ストレージやクラウドサービスに重要データを退避させ、安全な状態を確保しておきましょう。
初期化は最終手段と考える
システムの初期化はスパイウェア除去に有効な手段ですが、アプリや設定も含めたすべてのデータが削除されます。実行する前に必要な情報の抽出と復元準備を済ませておくことが大切です。
駆除ツールだけに頼らない
セキュリティソフトだけに依存すると、見落とされる脅威が残る可能性があります。アプリの挙動や不審なファイルを手動で確認するなど、複数の視点からチェックを行ってください。
アカウント操作は別端末で行う
パスワード変更や二要素認証の設定などは、感染が疑われる端末ではなく、信頼できる別の端末から実施することが推奨されます。とくに金融機関やSNSなど重要なサービスの操作は慎重に行いましょう。
駆除後も一定期間は監視を続ける
一度駆除が完了したように見えても、隠れたプロセスや再感染が残っている場合があります。一定期間は通信状況やアプリの挙動に注意を払い、不審な動きがないか継続的に監視してください。
自分だけでスパイウェアを確実に駆除するのが難しい場合は、専門家に相談することでより安全に対処できます。
当社ではスパイウェアの調査から駆除まで対応できる場合もあります。不安がある場合はまずご相談ください。
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Windowsにおけるスパイウェアの検出と駆除手順
Windowsはアプリの自由度が高いため、不正なソフトウェアの標的となりやすい傾向があります。スパイウェアの兆候が見られる場合は、次の手順に従って検出と駆除を進めてください。
Windowsセキュリテを活用した検出方法
Windowsには、標準でウイルスやスパイウェアを検出・削除できる「Windows セキュリティ(Microsoft Defender ウイルス対策)」が搭載されています。活用することで、多くの不正プログラムを効果的に検出し、駆除することが可能です。
以下の手順でスキャンを実行してください。
- 「スタート」メニューを開く
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」を選択
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリック
- 「スキャンの実行」から「クイックスキャン」または「フルスキャン」を選んで実行
時間が限られている場合は「クイックスキャン」、端末全体をしっかり確認したい場合は「フルスキャン」を推奨します。
Windows セキュリティを使う際に、見た目が似ている偽ソフトと間違えないように注意が必要です。安心して使うためのポイントは、以下の記事でわかりやすく解説しています。
>【注意喚起】Windows Defenderの見分け方と正しい対処法
タスクマネージャーで不審なプロセスを確認する
「Ctrl + Shift + Esc」キーを押してタスクマネージャーを開き、「プロセス」タブからCPUやメモリを過剰に使用しているプロセスを確認します。
不明なプログラムがあれば右クリックして「ファイルの場所を開く」を選び、正体を確認しましょう。正体不明な場合は削除を検討してください。
Windowsでスパイウェアを駆除する手順
感染が疑われる場合は、以下の手順に従ってスパイウェアの駆除を行ってください。
- ネットワークを遮断する
Wi-Fiを無効にする、またはLANケーブルを取り外して通信を切断します。 - セーフモードで起動する
「Shift」キーを押しながら再起動 →「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「セーフモードで起動」を選択します。 - ウイルス対策ソフトでスキャンする
Windows セキュリティや他のセキュリティソフトを使ってフルスキャンを実行し、検出された脅威を削除します。 - 不要なアプリを削除する
「設定」→「アプリ」または「コントロールパネル」→「プログラムのアンインストール」から、不審なアプリを削除します。
Macにおけるスパイウェアの検出と駆除手順
macOSはセキュリティ性能が高いとされていますが、完全に安全とは限りません。不審な挙動が見られる場合は、次の手順で確認と駆除を行いましょう。
macOS標準機能による検出方法
macOSには「Gatekeeper」というセキュリティ機能が標準で備わっており、信頼されていないアプリの実行を自動的に防ぐことができます。設定内容を確認し、外部からの不審なアプリのインストールをブロックしましょう。
- 「システム設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「セキュリティ」項目を下へスクロール
- 「App Storeと確認済みの開発元」が選択されているかを確認
アクティビティモニタやFinderで手動チェックする
アクティビティモニタを開き、CPUやメモリを異常に消費しているプロセスがないかを確認します。また、「アプリケーション」「LaunchAgents」「LaunchDaemons」などのディレクトリで、不審なファイルが存在しないかをFinderで確認することも有効です。
Macでスパイウェアを駆除する手順
感染の疑いがある場合は、以下の手順で駆除を行ってください。
- セーフモードで起動する
・Intel搭載モデル:再起動後すぐに「Shift」キーを押し続けます。
・Appleシリコン搭載モデル:電源ボタンを長押しし、起動オプションから「セーフモードで続行」を選択します。 - セキュリティソフトでスキャンする
CleanMyMacやMalwarebytesでフルスキャンを実行し、検出されたスパイウェアを削除します。 - 不要なアプリやプロセスを削除する
アクティビティモニタやFinderで不審なアプリを確認し、アンインストールします。
iPhoneにおけるスパイウェアの検出と駆除手順
iPhoneは高いセキュリティを備えていますが、構成プロファイルや外部アプリを通じてスパイウェアが侵入するケースも報告されています。以下の手順に沿って、安全性を確認しましょう。
iOS機能やセキュリティアプリを使った検出方法
iPhoneでは、標準機能や専用アプリを活用することで、スパイウェアの有無を比較的簡単に確認できます。
- 不審なアプリ・プロファイルの確認
「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で不要なアプリを削除。
「VPNとデバイス管理」で不審なプロファイルがないか確認します。 - 権限と端末動作のチェック
「プライバシーとセキュリティ」でアプリの権限を確認。
バッテリーの急減や発熱、動作の遅れも要注意です。 - セキュリティツールの活用
「Avast」や「Lookout」でスキャン。
PCを使う場合は「iMazing」で詳細チェックも可能です。
iPhoneでスパイウェアを駆除する手順
スパイウェアの兆候が見られる場合は、以下の手順で安全性の回復を図ってください。
- 不審なプロファイルやアプリを削除する
「設定」→「一般」→「プロファイルとデバイス管理」やホーム画面から、不要なプロファイルやアプリを削除します。 - iOSを最新版に更新する
「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から最新バージョンを適用し、脆弱性を修正します。 - Safariの履歴とWebデータを消去する
「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」を実行して、追跡データを削除します。 - 端末を再起動する
一度電源を切り、再起動して動作の改善を確認します。 - セキュリティアプリで状態を確認する
App Storeからインストールしたセキュリティアプリを使い、定期的に端末の状態をチェックしましょう。
Androidにおけるスパイウェアの検出と駆除手順
Androidはアプリの自由度が高いため、スパイウェアに感染するリスクが比較的高めです。以下の方法で安全性を確認し、必要に応じて駆除を実行してください。
セキュリティアプリや標準機能でスパイウェアを検出する
アプリ経由での感染が多いため、信頼できるセキュリティアプリやGoogle Playプロテクトを活用して、端末をスキャンしましょう。
セーフモードで不審なアプリを確認する
セーフモードを使うと、外部アプリが一時的に停止され、スパイウェアの動作を抑えた状態で不要なアプリを特定できます。
- 電源ボタンを長押しし、「電源オフ」をさらに長押し
- 「セーフモードで再起動」を選択
- 起動後、「設定」→「アプリ」で不要なアプリを削除
Google Play プロテクトでスキャンする
Google公式のセキュリティ機能を活用することで、インストール済みのアプリを自動的に検査できます。
- 「Play ストア」を開く
- 右上のプロフィールアイコンをタップ
- 「Play プロテクト」→「スキャン」を選択
Androidでスパイウェアを駆除する手順
感染が確認された場合は、以下の手順に従ってスパイウェアを駆除してください。
- セーフモードで起動する
電源ボタンを長押し → 「電源を切る」を長押し → 「セーフモードで再起動」を選択します。 - 不要なアプリを削除する
「設定」→「アプリ」で、使用していないアプリや見覚えのないアプリをアンインストールします。 - ウイルス対策アプリでスキャンする
カスペルスキーやESETなどでフルスキャンを実行し、検出されたスパイウェアを削除します。 - 端末を再起動して確認する
通常モードに戻し、不審な動作がなくなっているかを確認してください。
すべての手順を実行しても問題が解決しない場合や、対応に不安がある場合は、フォレンジック調査に対応した専門機関への相談をおすすめします。
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駆除後に実施すべき日常対策
スパイウェアを取り除いた後は、再感染を防ぐための習慣づくりが重要です。日常的なセキュリティ対策を意識的に継続することで、端末の安全性を高く保つことができます。
以下に挙げる対策を実践することで、攻撃リスクの多くを未然に防ぐことが可能です。
- OSやアプリを常に更新し、脆弱性を放置しない
- 提供元が不明なソフトは使用しない
- セキュリティソフトで定期的にスキャンを行う
- 不審なファイルやリンクは開かない
- パスワードを強化し、二段階認証を導入する
各対策の詳しい手順や設定方法は、以下の解説記事をご覧ください。

まとめ
スパイウェアの侵入が疑われる場合は、端末の種類や状況に応じた適切な手順で、速やかに対応することが重要です。
また、一度の駆除で安心せず、再感染を防ぐための日常的なセキュリティ対策を継続する姿勢が求められます。
日々の小さな対策の積み重ねこそが、サイバー被害から自分自身や組織を守る最も確実な方法です。