サイバー攻撃

PPAP問題とは?パスワード漏えいのリスクと安全なファイル送信のための対策

PPAP

「PPAP問題」とは、電子メールでのファイル送信に関するセキュリティリスクを指す言葉です。ここでの「PPAP」とは、パスワード付きZIPファイルをメールで送信し、その後にパスワードを別のメールで送るという方法を指します。

この方法は一見安全に見えますが、実際にはセキュリティ上のリスクが高く、サイバー攻撃者にとっては非常に狙いやすい脆弱性となります。本記事では、PPAP問題がなぜ問題視されるのか、またパスワードなどが漏えいした場合の対処法について詳しく解説します。

PPAPとは?

PPAPとは、次の手順で行われるファイル送信の方法です。

PPAPの手順
  1. まず、送信者はZIP形式で圧縮したファイルをメールで送信します。
  2. 次に、そのファイルを解凍するためのパスワードを別のメールで送ります。
  3. 受信者は2通のメールを受け取り、パスワードを使ってZIPファイルを解凍します。

一見、パスワードを別途送ることでセキュリティが保たれるように見えますが、実際にはこの方法が不十分であることが指摘されています。次のセクションで、その理由を詳しく説明します。

PPAP問題が問題視される理由

PPAP問題は、主に以下の3つの理由で問題視されています。

1. メール送信自体が安全ではない

現代の多くのサイバー攻撃は、メールを介して行われます。攻撃者はメールの通信を監視し、送られたファイルやパスワードを容易に傍受することが可能です。特に、パスワードがファイルとは別のメールで送信される場合、その両方が同じ通信経路を通るため、攻撃者にとってはどちらも簡単に取得できるリスクがあるのです。こうした傍受が行われた場合、攻撃者は容易にZIPファイルを解凍し、中身を盗み出すことができます。

2. パスワードの強度不足

PPAPでは、パスワードがファイルのセキュリティを担っていますが、送信者が設定するパスワードが弱い場合、攻撃者は容易にパスワードを破ることができます。よく使用される簡単なパスワード(例えば「12345」や「password」など)は、すぐに突破されてしまいます。また、企業内で標準化されたパスワードが使われている場合、複数のZIPファイルを一度に解凍されるリスクもあります。

3. 攻撃者によるメールのなりすまし

パスワードを別のメールで送信するというプロセスには、なりすましメールのリスクが伴います。攻撃者が送信者を装い、受信者に偽のパスワードを送ることで、受信者を騙し、正規のZIPファイルを攻撃者に送ってしまう可能性があります。このような「中間者攻撃」が発生すると、受信者は意図せずに攻撃者に重要な情報を提供してしまうことになります。

PPAPによる情報漏えいへの対処法

もしPPAPによってパスワードや機密情報が漏えいしてしまった場合、直ちに適切な対策を講じる必要があります。以下では、具体的な対処法を説明します。

1. パスワードの即時変更と通知

漏えいしたパスワードがある場合、速やかにそのパスワードを変更する必要があります。特に、再利用していたパスワードがある場合は、それらもすべて変更することが重要です。パスワードを変更する際には、次の点を考慮してください。

  • 強固なパスワードを設定する(最低でも12文字以上、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせる)
  • パスワードマネージャーを使用して、複雑なパスワードを安全に管理する
  • 影響を受けたユーザーや取引先にパスワード変更の必要性を通知する

2. 二要素認証 (2FA) の導入

パスワードのみでアカウントを保護するのはリスクが高いため、二要素認証(2FA)を導入することが推奨されます。これにより、たとえパスワードが漏えいしたとしても、追加の認証ステップが必要となり、攻撃者がアカウントにアクセスするのを防ぐことができます。二要素認証を有効にする方法は、次の通りです。

  • 各サービスやアカウントのセキュリティ設定にアクセスし、「二要素認証」を選択する。
  • 認証アプリ(Google AuthenticatorやAuthyなど)をスマートフォンにインストールし、アカウントを追加する。
  • ログイン時にコードの入力が求められるように設定する。

3. 直ちにフォレンジック調査を実施する

まず行うべきは、フォレンジック調査による被害範囲の特定です。フォレンジック調査は、サイバーセキュリティの専門家がデジタルデータの詳細な分析を行い、どの情報がどのように漏えいしたのかを明らかにするプロセスです。特に、以下のような項目を調査します。

  • 漏えいした可能性のあるデータの種類(例:個人情報、機密ファイルなど)
  • 攻撃者がどのようにシステムにアクセスしたのか
  • 漏えいの範囲や影響を受けたユーザー

フォレンジック調査は高度なスキルを必要とするため、専門のセキュリティ会社に依頼することを強く推奨します。

詳しく調べる際はフォレンジック調査の専門家に相談する

DDFハッキング、不正アクセス、乗っ取り、情報漏えいのような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。

このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。

フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出によって問題の解決を徹底サポートします。

デジタルデータフォレンジックでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、状況のヒアリングと対応方法、お見積りを無料でご案内いたします。

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もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。

 

 

この記事を書いた人

デジタルデータフォレンジックエンジニア

デジタルデータフォレンジック
エンジニア

累計ご相談件数32,377件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。その技術力は各方面でも高く評価されており、在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。

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