2024年4月頃から、世界最大級のオンライン旅行予約サイト「エクスペディア(Expedia)」が提供している「宿泊予約情報管理システム」を経由したフィッシング詐欺が問題となっています。
これは通常のフィッシングメールとは異なり、メッセンジャー機能を使用して不正アクセスされた公式サイト側からフィッシングサイトに誘導されるため、被害者が続出しています。
被害に遭った場合、エクスペディアを経由している旅行事業者は、侵入経路と漏えいしたデータを調査し、事態の全容を把握することが重要です。本記事では、エクスペディアでの不正アクセス事例を紹介します。
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目次
エクスペディアを経由した不正アクセス・情報漏えい被害の概要
2024年4月、エクスペディアが各ホテル会社に提供しているホテル予約システムが不正アクセスされ、一部の予約客に対してクレジットカードなどの情報を求めるフィッシングサイトへ誘導するメッセージが配信されたことが明らかになりました。
被害を公表している主なホテル事業者は以下の通りです。
公表年月 | ホテル名 |
---|---|
2024.04.22 | 雨庵 金沢(ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社) |
2024.04.13 | セトレならまち(株式会社ホロニック) |
2024.04.10 | ONSEN RYOKAN 由縁 新宿(UDS株式会社) |
オンライン予約サイトを悪用したフィッシング詐欺の手法
エクスペディア以前にも2023年6月頃から、オンライン予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」でのフィッシング詐欺が問題となりました。
フィッシング詐欺の画面例 出典:警視庁
この画像はフィッシング詐欺の一例になりますが、このように、実在する企業に成りすましてSMSやメールを使ってURLに誘導し、個人情報などを抜き出します。
今回のケースでは悪意ある人物が、宿泊施設に旅行者を装った偽メールを送信し、メールに記載されたリンクを経由してマルウェアに感染させ、盗んだIDやパスワードを使って、内部のシステムに不正侵入します。
そして宿泊施設になりすまし、予約客に「事前決済が必要」「予約がキャンセルになる」などの偽メールを送信するとともに不正なサイトへのリンクを記載し、予約客を誘導します。
漏えいした可能性がある個人情報
個人情報が閲覧された可能性のある対象者は、エクスペディアが提供する宿泊予約情報管理システムを経由して予約したユーザーとされています。
漏えいした可能性がある個人情報は次の通りです。
- 氏名(予約者、宿泊者、同行者)
- 電話番号
- メッセージ送受信専用メールアドレス
- 予約時のIPアドレスをもとにした国情報
- メッセージ機能でのやり取りの内容
- 予約情報(予約番号、予約日、チェックイン日、チェックアウト日、金額)
エクスペディアのサービスを利用しているホテル事業者は、この期間に個人情報の漏えいが発生している可能性があるため、適切な調査を行う必要があります。
私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)には、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験がある専門エンジニアが多数在籍しており、これまで無数のインシデント被害を調査してきました。まずはお気軽にご相談ください。24時間365日体制で相談や見積もりを無料で受け付けております。
企業の情報漏えいインシデント対応が義務化されています
2022年4月からは、個人情報保護法が改正された影響で、情報漏えいが発生した場合、被害者と個人情報保護委員会に報告する義務化されました。
したがって、企業が個人情報を漏えいした場合、不正行為の経路や、漏えいの被害範囲や有無を調べ、同様の事故が再発しない措置を講じるなど、迅速な対応が求められます。
同法に基づき、企業は以下にあげる被害の全容を把握し、対策を練る必要があります。
- 漏えいした情報の種類と件数
- 漏えいした個人情報の項目
- 漏えい経路
- 漏えい時期
基本ステップとしては漏えいの兆候や具体的な事実を確認後、速やかに対応体制を整え、情報の隔離、ネットワーク遮断、サービスの停止などの措置を取り、不正アクセスの状況を調べます。その後、関係者への通知、監督官庁や警察への届出、公表の検討も行いましょう。
情報漏えいにおける個人情報保護委員会への報告義務についてはこちら
最高1億円の罰金が科せられる恐れも
仮に「悪質な管理体制で個人情報の不正流用が発生した」もしくは「措置命令違反があった」場合、最高1億円の罰金が科せられる恐れもあります。
このため、顧客情報を取り扱う企業や組織は、情報漏えいが発生時、どの情報が、どのような経緯や経路で漏えいしたのかを調査し、今後の対応や予防策を考える必要があります。
ただ、被害調査を行う場合、専門技術が必要です。これは自社のみでの対応が困難のため、第三者調査機関であるサイバーセキュリティ専門家と提携しての調査をおすすめします。
私たちデジタルデータフォレンジック(DDF)には、官公庁、上場企業、捜査機関等を含む幅広いインシデントに対応経験がある専門エンジニアが多数在籍しており、これまで無数のインシデント被害を調査してきました。
具体的な被害調査や情報漏えい有無の確認を行いたい場合、まずはお気軽にご相談ください。24時間365日体制で相談や見積もりを無料で受け付けております。
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データ漏えいの調査でフォレンジックが有効な理由
エクスペディアを利用している宿泊業者は、システムやデバイスにマルウェアが感染している可能性を払拭するためにもフォレンジック調査が必要です。
フォレンジック調査は、コンピュータやネットワーク機器、ログファイルなどを分析し、不正アクセスの原因や、具体的な被害状況を明らかする専門的な調査手法です。
脆弱性を放置すると、さらなる不正アクセスが発生する恐れがあるため、被害を受けた場合は、マルウェア感染や不正アクセスの調査を行い、被害を拡大させないことが重要です。
フォレンジック調査が有効な理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 被害原因・侵入経路を特定できる
- 被害の規模を把握できる
- 被害の拡大を防げる
①被害原因・侵入経路を特定できる
フォレンジック調査では、不正アクセスの痕跡を分析し、被害の原因を特定します。
例えば、ホテルの担当者のログイン情報が不正に使用されたと疑われる場合、悪意のある人物が自社のネットワークに侵入した可能性があるため、被害の原因や侵入経路を特定するための適切な調査が必要となります。
この際、フォレンジック調査では、収集したデータを用いて、不正アクセスの方法、攻撃が行われた時間、侵入された経路、影響を受けたデータなどを解析します。
また調査を通じて得られた情報をもとに、セキュリティポリシーの更新、システムの強化、従業員への教育の強化など、具体的な対策につなげることができます。
②被害の規模を把握できる
フォレンジック調査では、不正アクセスによって流出した情報の種類、規模を把握することができます。
例えば「何の情報が漏れたか」「どのような影響を受けたか」などの情報をフォレンジック調査で具体的かつ正確に把握することで被害状況をはじめ、影響を受けた利用者がどう対応すべきか適切に通知することができます。
③再発防止や被害拡大を防げる
フォレンジック調査では、インシデントの原因となった脆弱性や攻撃手法を明らかにし、再発防止につなげることができます。
このように、フォレンジック調査は、情報漏えいやマルウェア感染の被害を受けた宿泊業者にとって、被害の拡大を防ぎ、信用回復につなげるための重要な手段となります。
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警察の「サイバー犯罪対策課」に相談しても有効な手段を講じることは難しい
不正アクセス被害に遭遇した場合、警察の「サイバー犯罪対策課」に相談に行っても、有効な手段を講じることができないケースは少なくありません。
その理由は、以下の3つにまとめられます。
- 警察の捜査やリソースには限界がある
- 技術的な知識や専門性が要求される
- 不正アクセス禁止法の要件を満たす必要がある
警察の捜査やリソースには限界がある
警察のサイバー犯罪対策課は限られた予算や技術リソースを有しており、サイバー犯罪の増加に追いつくことが難しい状況があります。
また近年は膨大な数の不正アクセス事件が発生しており、国外からの攻撃であることも多く、それぞれの事件に対処するためには膨大な時間と労力がかかります。その結果、特定の被害者の個別の事件に効果的に対応するのは難しい傾向があります。
技術的な知識や専門性が要求される
サイバー犯罪は高度で複雑な技術を用いたものが多く、捜査には高度な技術的知識と専門性が求められます。サイバー犯罪者の多くは匿名性を保ちつつ、様々な手法で犯罪を行うため、通常の捜査手法だけでなく、サイバーセキュリティやネットワークの専門知識が必要です。警察機関がこれらのスキルを十分に持っていない場合、迅速な捜査が難しくなります。
不正アクセス禁止法の要件を満たす必要がある
不正アクセス禁止法には特定の要件があり、これを満たさないと捜査や起訴が難しい場合があります。また犯罪者が国外を経由している場合、法的な障壁が生じることがあります。これにより、法執行機関でも簡単に犯罪者を追跡・摘発することが難しくなります。
これらの理由から、単に被害者が警察に相談しても、不正アクセス事件に対して迅速かつ有効な対策を講じることは難しい場合があります。
被害調査が必要なときは、専門業者へ依頼する
サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックの強み
デジタルデータフォレンジックは、迅速な対応と確実な証拠収集で、お客様の安全と安心を支える専門業者です。デジタルデータフォレンジックの強みをご紹介します。
累計相談件数39,451件以上のご相談実績
官公庁・上場企業・大手保険会社・法律事務所・監査法人等から個人様まで幅広い支持をいただいており、累積39,451件以上(※1)のご相談実績があります。また、警察・捜査機関から累計395件以上(※2)のご相談実績があり、多数の感謝状をいただいています。
(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
国内最大規模の最新設備・技術
自社内に40名以上の専門エンジニアが在籍し、14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術(※3)とフォレンジック技術でお客様の問題解決をサポートできます。多種多様な調査依頼にお応えするため、世界各国から最新鋭の調査・解析ツールや復旧設備を導入しています。
(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)
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アカウントの不正利用を防ぐためにすべきこと
アカウントの不正利用を防ぐためにすべきことは次のとおりです。
- 不正利用の兆候に気づく
- 不正利用からアカウントを保護する
不正利用の兆候に気づく
アカウントの不正利用の兆候としては、以下のようなものが挙げられます。
- ログイン履歴に心当たりのないアクセスがある
- アカウントの設定が変更されている
- アカウントから不審なメールやメッセージが送信されている
- アカウントから不正な取引が行われている
これらの兆候が見られたら、不正利用の可能性が考えられます。
不正利用・不正アクセスからアカウントを保護する
不正利用からアカウントを保護する場合、これ以上の被害を防ぐために、複雑で予測しにくいパスワードを使用し、定期的に変更することでアカウントを保護します。パスワードは英数字や特殊文字を含む複雑なものが望ましいでしょう。
よくある質問
対応内容・期間などにより変動いたします。
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もちろん可能です。お客様の重要なデータをお取り扱いするにあたり、当社では機密保持誓約書ををお渡しし、機器やデータの取り扱いについても徹底管理を行っております。また当社では、プライバシーの保護を最優先に考えており、情報セキュリティの国際規格(ISO24001)およびPマークも取得しています。法人様、個人様に関わらず、匿名での相談も受け付けておりますので、安心してご相談ください。