不正アクセスは、顧客情報や機密データの流出、取引先からの信用失墜など深刻な被害を引き起こします。発覚が遅れるほど被害は拡大し、対応の難易度も高まります。初期段階での正確な調査と迅速な対策が、被害を最小限に抑える鍵です。
本記事では、不正アクセスの調べ方、被害発覚後の具体的な対応手順、そして再発防止のためのポイントを解説します。
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目次
不正アクセスが疑われるときの調べ方
不正アクセスの兆候を感じたら、迅速な確認と記録が欠かせません。以下に、自分で行える主な調べ方をまとめました。
さらに、不正アクセスの実際の事例や対応手順については、以下の記事に解説しています。
>>【専門家が解説】不正アクセスとは?原因・被害・対応方法をわかりやすく解説
身に覚えのないメールや通知を確認する
利用中のサービスから届くログイン通知やパスワード変更通知に心当たりがない場合、不正アクセスの可能性があります。
公式サイトへログインして通知の詳細を確認し、アクティビティ履歴をチェックしてください。怪しい挙動を発見した場合は、速やかにパスワードを変更し、サポート窓口へ報告します。
アクセスユーザーを確認する
システムやクラウドサービスのユーザーリストを確認し、見覚えのないアカウントや権限を持つユーザーが存在しないか調べます。
社内環境では、退職済みの社員や権限のない人物による不正アクセスの可能性もあるため、該当ユーザーを発見したら直ちに権限を削除しアクセスを遮断します。
アクセス元のデバイスを確認する
登録済みデバイスとは異なる端末からのアクセス履歴がある場合、侵入が行われている可能性があります。不審な端末が検出された場合は、即座に接続を遮断し、多要素認証の設定やパスワード再設定を行います。
アクセス日時と回数を確認する
通常の利用パターンと異なる時間帯や頻度でのアクセスがある場合、攻撃の兆候が疑われます。深夜や休日のアクセス、短時間で繰り返されるログイン試行は特に注意が必要です。異常が見られた場合は、ログを保存し、ログイン試行回数の制限を設定します。
アクセス元のIPアドレスを確認する
地理的に離れた場所や短時間に大量のアクセスを行うIPは要注意です。VPNや匿名化サービスを利用してIPを偽装している場合もあるため、異常なIPアドレスはフィルタリング設定で遮断します。
セキュリティソフトの検知機能を利用する
ウイルス対策ソフトやファイアウォールのアラート機能を活用し、侵入の痕跡を調べます。検知された場合はログを確認し、関連するアクセス履歴を保存します。
異常を検知した段階での迅速な行動が、被害拡大を防ぐ決め手です。証拠となるデータは時間の経過とともに消失するため、自己判断だけで対応せず、早期に専門調査を依頼することが重要です。
当社では24時間365日、無料相談・診断・お見積りに対応しています。お気軽に専門アドバイザーへご相談ください。
不正アクセスが確認された後に行うべきこと
不正アクセスが確認された後は、アクセス元に関わらず端末やシステムのセキュリティ対策を直ちに実行する必要があります。以下は被害拡大を防ぐための主な手順です。
①サーバーを隔離する
不正アクセスの被害を受けたら、すぐにサーバーをネットワークから一時的に切り離し、外部からのアクセスを遮断することにより、不正アクセスによるデータ流出や攻撃を防ぐことができます。隔離の際には、システムの稼働に与える影響を最小限に抑えるため、対象のサーバーだけを停止することが推奨されます。
②ウイルススキャンを行う
不正アクセスの原因がマルウェア感染の可能性も考えられます。そのため、不正アクセスの被害を受けたら、全デバイスでウイルススキャンを実行し、マルウェアを除去しましょう。
③端末のパスワードを変更する
不正アクセスが確認された場合、アクセスされた端末やアカウントのパスワードを直ちに変更する必要があります。パスワードは強力かつ独自のものにし、可能であれば多要素認証(MFA)を導入します。
また、不正アクセスを受けたアカウントと同じパスワードを使い回しているアカウントがあれば、あわせてパスワードの変更を行いましょう。
④ログを保管する
不正アクセスが発覚したら、不正アクセスの発生時間、攻撃手法、アクセス元の情報などを特定するための重要な手がかりとなりうるシステムログ、ネットワークログ、セキュリティログなどを保管しましょう。
⑤流出元に連絡する
不正アクセスによる情報流出が疑われる場合、関係者や取引先の企業に速やかに連絡することが重要です。特に、企業が保管する個人情報や機密情報が流出した場合、個人情報保護法に基づく報告義務も発生します。
>>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
また不正アクセスを行った犯人の捜査や逮捕を望む場合は、警察やサイバー犯罪相談窓口に通報することもおすすめします。

⑥警察に相談する
不正アクセスを受けた場合、警察に相談することで、しかるべき手続きの後に捜査や犯人の逮捕などが行われます。一方で、警察の捜査状況などにより、捜査開始までに時間がかかる場合があります。
⑦専門家に調査を依頼する
不正アクセスの侵入経路特定や被害範囲の把握は、高度な知識とツールが必要です。フォレンジック調査では、端末やサーバーに残されたログ・通信履歴・改ざん痕跡を解析し、証拠を保全しながら原因と被害範囲を明らかにします。
証拠となるデータは時間の経過とともに消えるため、異常を検知した段階での迅速な依頼が二次被害防止の鍵です。
フォレンジック調査では、端末やサーバーに残されたログ・通信履歴・ファイル改ざんの痕跡を専門ツールで解析し、データを保全しながら原因と被害範囲を正確に特定します。二次被害を防ぎ、システムの安全性を確保するためにも、早期の専門家への依頼が最善の方法です。
当社では官公庁や大手企業を含む多数の調査実績を活かし、24時間365日体制で無料相談・診断・お見積りに対応しています。専門アドバイザーへのご相談はお気軽にご連絡ください。
不正アクセスの被害を専門の調査会社に依頼すべきケース
以下の状況に該当する場合は、早急に専門業者への調査依頼を検討してください。
社外への情報流出が疑われる
顧客情報、取引データ、設計図面、契約書などの機密ファイルが外部に漏れた可能性がある場合、放置すれば信用失墜や損害賠償請求など重大なリスクに直結します。まずは流出の事実と範囲を特定し、影響を受ける可能性のある顧客や取引先への連絡体制を整えます。
顧客や取引先から不正利用の指摘を受けた
外部から「あなたのアカウントが不正利用されている」「御社のシステムが攻撃元になっている」といった指摘を受けた場合、すでに攻撃が進行している可能性が高い状態です。この段階では内部ログの改ざんや証拠隠滅が行われていることもあり、迅速な証拠となるデータ保全と原因特定が不可欠です。
ランサムウェア感染やWeb改ざんなどの被害が見られる
データの暗号化やWebページの改ざんは、不正アクセスの明確な痕跡です。ランサムウェアの場合は暗号化されたデータの復旧可否、改ざん被害では置き換えられたコンテンツや埋め込まれた不正スクリプトの特定が急務です。
専門の調査会社では、感染経路や攻撃手法を調査し、システム復旧と再発防止のための具体的な対策を提示します。
訴訟や警察相談を視野に入れている
法的措置や刑事事件化を検討する場合、調査の初動から「証拠として法廷で通用するレベルのデータ保全」が求められます。通常のシステム運用では残らない詳細なアクセスログやメタデータも、専門のフォレンジック調査なら適切な形式で取得・保管でき、裁判所や捜査機関への提出資料としても活用可能です。
不正アクセスのサイバー被害は、時間の経過とともに証拠データが消失し、被害範囲の特定が困難になります。症状を放置すると、侵入の再発や重要情報の流出、不正利用による金銭被害など、状況は悪化する一方です。
当社では、39,451件以上の累積相談実績(算出期間:2016年9月1日~)と警察・捜査機関395件以上の依頼実績(算出期間:2017年8月1日~)を基に、経験豊富なエンジニアが迅速かつ的確な調査を行います。24時間365日体制で電話受付や無料診断を実施しており、突然のインシデント発生でも安心してご相談いただけます。
不正アクセス調査を専門業者に依頼する

サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア感染のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。
特に、法的手続きが絡むケースや被害が広範囲に及ぶ場合は、専門家の力を借りることで被害の最小化と信頼性の高い証拠の収集が可能です。
>情報漏えい時の個人情報保護委員会への報告義務とは?詳しく解説
当社では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備でのネットワークや端末の調査・解析、調査報告書の提出、ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
フォレンジックサービスの流れや料金については下記からご確認ください。
【初めての方へ】フォレンジックサービスについて詳しくご紹介
【サービスの流れ】どこまで無料? 調査にかかる期間は? サービスの流れをご紹介
【料金について】調査にかかる費用やお支払方法について
【会社概要】当社へのアクセス情報や機器のお預かりについて
デジタルデータフォレンジックの強み
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(※1)集計期間:2016年9月1日~
(※2)集計機関:2017年8月1日~
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(※3)第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2017年)
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不正アクセスを防ぐための基本対策
不正アクセスは事前の予防策によって大きくリスクを減らせます。日常的なシステム管理とセキュリティ意識の向上が、攻撃の成功率を下げる鍵です。以下は、組織や個人が取り組むべき代表的な対策です。
- OS・ソフトウェアを最新状態に保つ
- パスワード管理の徹底・多要素認証の導入
- セキュリティソフトの導入と常時稼働
- 不要なサービス・アプリケーションの停止・削除
- アクセス権限の適切な設定
- ネットワーク対策(ファイアウォール・IDS/IPSの導入)
- 定期的な脆弱性診断や訓練
- セキュリティ意識の向上
- アクセスログの定期監査・確認

まとめ
不正アクセスは発覚が遅れるほど被害が拡大し、復旧にも時間とコストがかかります。早期発見のための監視体制と、発生時の迅速な初動対応、再発防止のための継続的なセキュリティ対策が重要です。
兆候を感じたら自己判断に頼らず、速やかに専門のフォレンジック調査会社へ相談することが、被害を最小限に抑える最善策です。
よくある質問
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