情報持ち出しとは

社内の情報を少しずつ持ち出す…

ビジネス上有用なノウハウや技術等の営業秘密の流出は、従業員によるものが大半を占めると言われています。その中でも、流出ルートでは、退職者による漏えいが最も多く、不正が起きる要因は、在職時の不満が大きいとのこと。退職数週間前から、機密となる情報を少しずつ持ち出す可能性が高いようです。さて、ここでは、近年に起きた事件をいくつか見ていきます。

転職先での活用を目論み
企画情報を取得

大手自動車会社の元社員が、会社のサーバーに接続し、企業秘密にあたる新型車の企画情報などのファイルデータを不正取得したとして、不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の罪に問われました。この元社員は「持ち出した情報は営業秘密に当たらない」と起訴内容を否認。無罪を主張していましたが、裁判長は、「情報にはアクセス制限が掛けられており、被告は営業秘密と認識していた。転職先で活用しようとしたと推認できる」と指摘。有罪判決を言い渡しました。

巧妙に遠隔操作で
営業機密を持ち出し

2015年、家電量販店の会社の元社員が、退職前に事務所のパソコンに遠隔操作ソフトをインストールし、転職先(競業企業)の会社の業務用パソコンから遠隔操作ソフトを通じて不正に営業秘密にあたる情報を取得したとして不正競争防止法違反(営業機密の不正取得)の容疑で逮捕されました。この元社員は、退職後のアカウント有効期間(90日)を活用し、20年来の元部下にも手伝わせて情報を取得していた模様です。

現職従業員等のミスによる
漏えいも43.8%と増加中

2017年の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の実態調査によると、2012年度調査では、営業秘密の流出者は、中途退職者が最多(50.3%)でしたが、2016年度調査では、現職従業員等のミスによるものが最多(43.8%) となっており、いわゆる「うっかり」が増えているものの、内部者による情報流出は後を絶たず、企業の信頼失墜にも発展しているようです。

2895万件の顧客情報が流出し、社会的信用も失墜

発覚のきっかけは2014年6月下旬、大手通信教育事業者の顧客に対して、他社からのダイレクトメールが送付されたため、社内調査を行ったところ、3次契約された派遣社員のシステムエンジニアが、顧客情報を不正にコピーして名簿業者に渡していたと判明。住所氏名など、その漏えい件数は2895万件にも上りました。この企業は金銭的な補償について200億円の原資を準備。会員数の減少や、純損益の2年連続赤字などに陥りました。