退職者調査とは

まさか、あの競合他社に情報が?

退職者は、営業機密をどこに持ち出しているのでしょうか。実は、営業機密の漏えい先は「国内競業他社」が32.4%というデータがあります。退職者は従業員期間中、会社で使用しているパソコンやスマホを経由して社内ネットワークにアクセスし、企業の機密情報である顧客情報や技術情報、製品情報などを簡単に閲覧したりコピーしたりすることができるため、容易く持ち出せるというわけです。さて、ここでは、近年に起きた事件をいくつか見ていきます。

退職した元課長が持ち出した
情報で事業を立ち上げ

家電量販店大手の課長職にあった従業員が在職中だけでなく、退職してからも、在職時に使用していたパソコンを遠隔操作して、住宅リフォーム事業の原価表や管理システムのマニュアルなどを取得。転職先である競合他社側がその情報を利用して同様の事業を立ち上げたことで、元従業員が在籍していた家電量販店大手側が損害を受けたとして、元課長と転職先の企業を刑事告訴しました。元課長は逮捕され、懲役2年(執行猶予3年)・罰金100万円の判決を受け、有罪が確定しています。

貴重な研究データを、まさかの
海外企業に提供

大手電機メーカーのパートナー企業である半導体メーカーの元技術者が、半導体メモリの微細化に関する研究データを不正に持ち出し、海外の半導体メーカーに提供したとして、2014年3月14日に不正競争防止法違反の容疑で逮捕されました。容疑者は、半導体メーカーを辞め、同7月に海外の半導体メーカーに転職。直後に、大手電機メーカーから盗み出したフラッシュメモリーの研究データを渡し、その後も研究部門で働いていたものの、その後、退職したということです。

保管されていた事業ノウハウを
持ち出す

京都のIT関連メーカーによりますと、この会社の元従業員が2016年9月に退職する際、所属部門にて保管されていた情報を不正に持ち出した疑いがあると発表しました。この会社では、元従業員の退職後に社内調査を行い、同時に京都府警にも捜査を依頼。その後、元従業員に対して京都府警による捜査が行われ、この会社が管理する情報が元従業員によって不正に持ち出されていたことが判明。これを受けて、不正競争防止法違反で元従業員に対して刑事告訴を行い、その結果2018年5月1日付で京都府警から京都地方検察庁に書類送検されました。なお、持ち出された情報は事業ノウハウに関する情報であり、個人情報や顧客の機密情報の類は確認されていないということです。