社内不正やネット犯罪が起こった際、ブラウザの閲覧履歴は重要な証拠になります。しかし、閲覧履歴が削除されている場合に操作すると、証拠が失われる可能性があるほか、削除してから時間が経つにつれて、復元できる可能性が低くなります。
しかし、「閲覧履歴が削除されている」ないし「履歴復元により、法的な証拠を獲得したい」場合、どうすればいいのでしょうか?実は、適切に対応しないと「証拠能力」を失う恐れもあります。
この記事では、閲覧履歴が削除されている時の復元方法などをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
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目次
閲覧履歴の復元を行うケースとは
閲覧履歴は、下記のような問題が発生した場合、重要な証拠となります。
- 社用PCを用いた情報持ち出し
- 社内での業務上横領
- 就業中に関係のないサイトを閲覧する職務怠慢(あるいは、不当な残業代請求)
しかし、上記で紹介したような事案では証拠隠滅のため、閲覧履歴を削除されていることがあります。場合によっては閲覧履歴を復元し、適切な対応を取らなくてはなりません。
ここでは閲覧履歴の復元を行うケースについてご紹介します。
インターネットの犯罪捜査

閲覧履歴は、インターネット犯罪捜査において貴重な情報源となる可能性があります。たとえば、児童ポルノ犯罪の捜査では、閲覧履歴を使用して、児童ポルノ画像やビデオにアクセスした人物を特定することができます。
また、サイバーテロの捜査では、閲覧履歴を使用して、テロリストが攻撃計画に使用したウェブサイトを特定することができるほか、利用者がどのような単語やフレーズを検索し、どのようなテキストを入力したかを把握することができます。
セキュリティ侵害の調査

閲覧履歴は、セキュリティ侵害の調査においても貴重な情報源となる可能性があります。たとえば、不正アクセスによるデータ侵害の調査では、閲覧履歴を使用することで、侵害されたデータにアクセスした人物を特定することができます。また、マルウェア感染の調査では、閲覧履歴を使用して、マルウェアに感染したウェブサイトを特定することができます。
組織内のポリシー違反の調査

従業員が不正行為を社内の端末を介して行っていた場合、閲覧履歴を復元して、従業員が不正行為を働いた証拠を得ることができます。
たとえば、得ることが出来る「証拠」としては次のようなものが挙げられます。
- 競合他社に機密情報を漏洩した証拠
- 個人情報やクレジットカード情報を盗んだ証拠
- 会社経費を私的に使用した証拠
- 著作権で保護されたコンテンツを違法にダウンロードした証拠
- 児童ポルノにアクセスした証拠
このように閲覧履歴は、従業員による不正行為を働いた証拠を得るための強力なツールです。たとえ閲覧履歴が削除されたとしても、正しい手続きで復元することで、従業員が不正行為を働いたかどうかを判断するのに役立てることができます。
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閲覧履歴を復元する際の注意点
閲覧履歴を復元する際の注意点として、自力での方法では法的な対応が困難になるという点が挙げられます。なぜならデジタルデータは些細な操作で変化しやすく、新たに読み書きや修正を行うだけで、データの更新が行われてしまうからです。
このような場合、裁判所などの法的機関に証拠データを提出しても「裁判が有利に進むよう情報を改変した」と疑われるリスクがあり、最悪の場合、証拠能力を失ってしまいます。
データの証拠能力を確保する調査手法については、下記の記事で詳しく紹介しています。

閲覧履歴の復元にはフォレンジック調査が欠かせない

電子証拠=閲覧履歴は、簡単に改ざんできる可能性があるため、電子機器から収集した証拠が法執行機関(裁判所)で認められるためには「証拠能力」が必要です。仮に証拠能力がなければ、たとえ真実であっても、裁判で閲覧履歴を証拠として使用することはできません。
この際、コンピューターやその他の電子機器から法的に正しい手続きで証拠を収集し、分析する「フォレンジック調査」が有効です。特に閲覧履歴の復元において、フォレンジック調査は、閲覧履歴の復元において重要な役割を果たします。これにより、閲覧履歴が「真実」であり、客観的に信頼できることが証明され、裁判で認められる可能性も高まります。
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Google Chromeの閲覧履歴の復元方法
Google Chromeにおける履歴の復元方法は以下のとおりです。
- DNSキャッシュを用いて復元
- システムの復元を利用する
- Google Historyで復元する
なお、履歴削除から時間が経ってしまうと、上記のツールを使っても元に戻らない可能性が高まりますので注意しましょう。
DNSキャッシュを用いて復元
DNS は Domain Name System の略で、ドメインとIPアドレスを関連付けるシステムです。ユーザーがブラウザのアドレスバーにドメイン名を入力すると、DNSサーバーがそのドメイン名に対応するアドレスを調べ、ユーザーのコンピュータに送信します。これにより、ユーザーはドメイン名を覚えなくても、Web サイトにアクセスすることができます。
なおDNSによって取得されたアドレスやドメイン名はキャッシュとして一定期間保存されます。これにより同様のアクセスリクエストを短期間に繰り返し送らないようにします。
DNSキャッシュを用いて履歴を復元するには、コマンドプロンプトから「ipconfig/displaydnsコマンド」を実行します。
ここからはDNSキャッシュを取得する方法についてご紹介します。
- コマンドプロンプトに、ipconfig/displaydnsと入力し「Enter」を選択
- 最近アクセスしたドメイン名とIPアドレスの対応表が表示されます。この情報をもとに、履歴を復元することができます。
ただし、DNSキャッシュは一定期間後に削除されるため、履歴を復元できる期間には限りがあることに注意してください。
システムの復元を利用する
システムの復元は、パソコンをバックアップした時点まで状態を差し戻す機能です。これを実行することで閲覧履歴の復元も可能になります。Windowsでの方法は次の通りです。
- コントロールパネルで【回復】を検索し【システムの復元を開く】→【次へ】の順に進む
- 復元したいブラウザの閲覧に関連する復元ポイントを選び【次へ】→【完了】をクリック

Google Historyで復元する

Chromeユーザーは「Google History」からChromeの履歴を復元可能です。
Chromeの閲覧履歴をGoogle Historyから復元する方法は次のとおりです。
- ウェブブラウザのGoogle検索バーに「Google History」と入力します。
- [Googleマイアクティビティ]ページに移動し、Googleアカウントでログインします。
- [アクティビティを表示]ボタンをクリックします。
- [閲覧履歴]タブをクリックします。
- [閲覧履歴をエクスポート]ボタンをクリックします。
- 閲覧履歴をエクスポートするファイルの種類と場所を選択します。
- [エクスポート]ボタンをクリックします。
閲覧履歴をエクスポートすると、Chromeの閲覧履歴を含むファイルがダウンロードされます。このファイルを開くと、Chromeの閲覧履歴を復元できます。
Microsoft Edgeの履歴を復元する方法
Microsoft Edgeの履歴を復元する方法は以下の通りです。
- デバイスのバックアップを確認する
- システムの復元ポイントを使用する
デバイスのバックアップを確認する
Microsoft Edgeの履歴は、Windowsのファイル履歴やGoogleドライブなどデバイスのバックアップに保存されている場合があります。
Windowsのファイル履歴を使用してEdgeの履歴を復元するには、次の手順に従います。
- スタートメニューを開き、「ファイル履歴」を検索します。
- ファイル履歴アプリを開き、復元する履歴のファイルを選択します。
- 「復元」ボタンをクリックします。
Googleドライブを使用してMicrosoft Edgeの履歴を復元するには、次の手順に従います。
- Googleドライブを開き、復元する履歴のファイルを選択します。
- 右上隅の[ダウンロード]ボタンをクリックします。
- ファイルがダウンロードされたら、[開く]ボタンをクリックします。
システムの復元ポイントを使用する
システムの復元ポイントは、コンピューターの状態を特定の日付に復元できるポイントです。システムの復元ポイントがある場合は、それを使用してMicrosoft Edgeの履歴を復元できます。
システムの復元ポイントを使用してMicrosoft Edgeの履歴を復元するには、次の手順に従います。
- スタートメニューを開き、「コントロールパネル」を検索します。
- コントロールパネルを開き、「システムとセキュリティ」をクリックします。
- 「システム」をクリックし、[システムの保護]タブをクリックします。
- 復元するシステムの復元ポイントを選択します。
- 「復元」ボタンをクリックします。
iPhoneの履歴復元方法
iPhoneの履歴復元方法は次のとおりです。
- iCloudバックアップから復元する方法
- iTunesバックアップから復元する方法
iCloudバックアップから復元する方法
iPhoneの履歴を復元する方法はいくつかありますが、2つの最も一般的な方法は、iCloudバックアップとiTunesバックアップを使用することです。
iCloudバックアップから履歴を復元するには、次の手順に従います。
- iPhoneをWi-Fiネットワークに接続します。
- iPhoneの[設定]アプリを開きます。
- [iCloud]をタップします。
- [iCloudバックアップ]をタップします。
- [iCloudバックアップを復元]をタップします。
- 復元するバックアップを選択します。
- [復元]をタップします。
iTunesバックアップから復元する方法
iTunesバックアップから履歴を復元するには、次の手順に従います。
- iPhoneをコンピュータに接続します。
- iTunesを起動します。
- iPhoneがiTunesに認識されたら、[概要]タブをクリックします。
- [バックアップから復元]ボタンをクリックします。
- 復元するバックアップを選択します。
- [復元]ボタンをクリックします。
Androidスマホの履歴復元方法
Androidスマホの履歴を復元する方法はいくつかありますが、2つの最も一般的な方法は、Googleアカウントのバックアップとファイルマネージャーアプリを使用することです。
- Googleアカウントのバックアップから復元する方法
- ファイルマネージャーアプリを使った履歴復元方法
Googleアカウントのバックアップから復元する方法
Androidスマホの履歴を復元する方法はいくつかありますが、2つの最も一般的な方法は、Googleアカウントのバックアップとファイルマネージャーアプリを使用することです。
Googleアカウントのバックアップから履歴を復元するには、次の手順に従います。
- AndroidスマホをWi-Fiネットワークに接続します。
- Androidスマホの[設定]アプリを開きます。
- [Google]をタップします。
- [アカウントとバックアップ]をタップします。
- [バックアップ]をタップします。
- [デバイスのバックアップ]をタップします。
- 復元するバックアップを選択します。
- [復元]をタップします。
ファイルマネージャーアプリを使った履歴復元方法
これは、Androidスマホのローカルストレージに保存されている履歴を復元する方法です。この際、次の手順に従います。
- ファイルマネージャーアプリを開きます。
- [Android]フォルダを開きます。
- [data]フォルダを開きます。
- [com.android.chrome]フォルダを開きます。
- [Default]フォルダを開きます。
- [History]フォルダを開きます。
- [History.db]ファイルを選択します。
- ファイルマネージャーアプリからファイルを選択します。
- [復元]を選択します。
ファイルマネージャーアプリを使った履歴の復元方法は、Androidスマホのローカルストレージに保存されている履歴を復元する方法です。ただし、この方法はすべてのAndroidスマホで使用できるとは限りません。
その他の履歴復元方法
その他の履歴復元方法は次のとおりです。
- データ復旧ソフトを使った履歴復元方法
- 専門家に依頼する方法
データ復旧ソフトを使った履歴復元方法
削除された閲覧履歴やブックマークは、データ復元ソフトで復元できることがあります。
なお、データ復元ソフトには、無料のソフトと有料のソフトがあります。無料のソフトでも履歴の復元ができるソフトがありますが、機能が制限されている場合があります。有料のソフトは、機能が豊富で履歴の復元に成功する可能性が高くなります。
データ復旧ソフトを使用した履歴の復元方法は、次のとおりです。
- データ復旧ソフトをダウンロードしてインストールします。
- データ復旧ソフトを起動します。
- 復元したいデータの場所を選択します。
- データ復旧を開始します。
- 復元されたデータを確認します。
データ復旧ソフトを使用した履歴の復元には時間がかかります。履歴の復元にかかる時間は、データの量やデータ復旧ソフトの機能によって異なります。
ただし、データ復旧ソフトは100%復元できるとは限りません。場合によっては部分的な復元になってしまったり、そもそも復元できなかったりするほか、データ復元ソフトでデータが上書きされてしまうと、専門業者でも調査や復元が困難になってしまうこともあります。
専門家に依頼する方法
「閲覧履歴の復元を行った後、裁判をはじめ法的対応を行いたい」という場合は「フォレンジック」という調査を専門業者に依頼することをおすすめします。フォレンジック調査では、修正や上書きなどの操作が行われず、デジタル機器から法的証拠に関わる情報を適切な手続きで抽出可能です。
当社デジタルデータフォレンジック(DDF)では、データ復旧業者14年連続データ復旧国内売上No.1のデータ復旧サービスと、フォレンジック調査サービスで蓄積してきた豊富な経験と技術力をもとに、削除・破損したデータも復元・修復して、適切な証拠を確保することが可能です。
また、証拠利用の場合、裁判所や第三者委員会にも提出可能な報告書の作成も行っています。詳細については、まず専門アドバイザーにまでご相談ください。
高度な閲覧履歴の復元を行う場合、専門業者に相談する
不正アクセス、社内不正、情報持ち出し、職務怠慢のような問題が発生した場合、どのような経路で、どのような情報が漏えいしたのか、被害の全容を正確に把握する必要があります。しかし、自力で調査を行うと、調査対象範囲が適切でなかったり、意図しない証拠データの消失が発生しやすく、不完全な結果になる恐れがあります。
このような事態を防ぎ、適切な調査によって原因究明を行うためにも、フォレンジック調査の専門家に相談することが重要です。フォレンジック調査では、インシデント対応のプロが初動対応から、専門設備での端末の調査・解析、調査報告書の提出ならびに報告会によって問題の解決を徹底サポートします。
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この記事を書いた人
デジタルデータフォレンジック エンジニア
累計ご相談件数23,703件以上のフォレンジックサービス「デジタルデータフォレンジック」にて、サイバー攻撃や社内不正行為などインシデント調査・解析作業を行う専門チーム。
その技術力は各方面でも高く評価されており、フォレンジック調査やセキュリティ対策の取り組みで在京キー局による取材実績や、警察表彰実績も多数。