社内で不正が発生したり、ネット犯罪が起こった際、ブラウザの閲覧履歴は重要な証拠になります。この記事では、閲覧履歴が削除されている時の復元方法などをご紹介します。
閲覧履歴の復元をするケース
閲覧履歴は以下のような問題が発生した場合、重要な証拠となります。
- 社用PCを用いた情報持ち出し
- 就業中に業務に関係のないサイトを閲覧するなどの職務怠慢(もしくは不当な残業代請求)
- 社内での業務上横領
上記で紹介した事案は証拠隠滅のため、閲覧履歴を削除されていることがあります。
PCの閲覧履歴の復元方法
ここでは、パソコン履歴の復元方法を紹介します。なお、履歴削除から時間が経ってしまうと、上記のツールを使っても元に戻らない可能性が高まります。また、悪意ある利用者の場合、閲覧履歴が復旧できないように「完全削除」を行っている場合も想定されるので注意しましょう。
DNSキャッシュを用いて復元
DNSとは、ドメインとIPアドレスを関連付けるシステムです。同じアクセスリクエストを毎回取得して送信するのは非効率であるため、DNSによって取得されたIPアドレスやドメイン名はDNSキャッシュとして一定期間保存されます。これにより同様のアクセスリクエストを短期間に繰り返し送らないようにします。
ここからはDNSキャッシュを取得する方法についてご紹介します。
- コマンドプロンプトに、ipconfig/displaydnsと入力し「Enter」を選択
- 最近の閲覧したすべてのウェブサイトが表示されるので、希望の閲覧履歴を選択し、復元することが可能です。
システムの復元を利用する
システムの復元は、パソコンをバックアップした時点まで状態を差し戻す機能です。これを実行することで閲覧履歴の復元も可能になります。Windowsでの方法は次の通りです。
- コントロールパネルで【回復】を検索し【システムの復元を開く】→【次へ】の順に進む
- 復元したいブラウザの閲覧に関連する復元ポイントを選び【次へ】→【完了】をクリック

Google Historyで復元する(Google Chrome)
Chromeブラウザ右上の縦三点リーダーから閲覧履歴が削除されたとしても、Chromeユーザーは「Google History」からChromeの履歴を復元可能です。
検索窓で「Google History」と検索、表示された「Google マイアクティビティ」ページに行くと、最近のChromeの閲覧履歴が時系列に沿って全て表示されます。

データ復元ソフト
削除された閲覧履歴やブックマークは、データ復元ソフトで復元できることがあります。しかし、部分的な復元になってしまったり、そもそも復元できなかったりすることがあるほか、データ復元ソフトでデータが上書きされてしまうと、専門業者でも調査が困難になってしまうこともあります。
閲覧履歴を復元する際の注意点
閲覧履歴を復元する際の注意点として、上記の方法では法的な対応が困難になるという点が挙げられます。なぜならデジタルデータは些細な操作で変化しやすく、新たに読み書きや修正を行うだけで、データの更新が行われてしまうからです。このような場合、裁判所などの法的機関に証拠データを提出しても「裁判が有利に進むよう情報を改変した」と疑われるリスクがあり、最悪の場合、証拠能力を失ってしまいます。
データの証拠能力を確保する調査手法については、下記の記事で詳しく紹介しています。

フォレンジック調査で閲覧履歴を復元する
「閲覧履歴の復元を行った後、裁判をはじめ法的対応を行いたい」という場合は「フォレンジック」という調査を専門業者に依頼することをおすすめします。
フォレンジック調査では、修正や上書きなどの操作が行われず、デジタル機器から法的証拠に関わる情報を適切な手続きで抽出可能です。
当社デジタルデータフォレンジック(DDF)では、データ復旧業者14年連続データ復旧国内売上No.1のデータ復旧サービスと、フォレンジック調査サービスで蓄積してきた豊富な経験と技術力をもとに、削除・破損したデータも復元・修復して、適切な証拠を確保することが可能です。
また、証拠利用の場合、裁判所や第三者委員会にも提出可能な報告書の作成も行っています。詳細については、まず専門アドバイザーにまでご相談ください。
フォレンジック調査の流れ
当社のフォレンジックサービスは以下のような流れで調査を行っています。
当社では作業内容のご提案とお見積りのご提示まで無料でご案内しております。

DDF(デジタルデータフォレンジック)では、フォレンジックの技術を駆使して、法人/個人を問わず、お客様の問題解決をいたします。
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お困りの際はデジタルデータフォレンジックまでご相談ください。証拠利用の場合は、法廷資料としても活用できる報告書の作成も承っております。